【4年愛用レビュー】FUJIFILM X-E4──軽さと画質、そして「撮りたくなる」カメラ

カメラは好きだけど、重くて結局持ち運べない…

こんな風に思ったことはありませんか?

せっかくの旅行や家族との週末、特別な瞬間をカメラで残したいと思っても、重たい機材を前にためらってしまう。カメラバッグを開けて、レンズを選んで、設定を確認して──その手間を考えると、結局スマホで済ませてしまう。ぼく自身も、そんな「あるある」な悩みを抱えていました。

大切なのは、最高スペックを追うことではなく、日常に寄り添い、シャッターを切りたくなるカメラなのではないでしょうか。この問いに向き合う中で出会ったのが、FUJIFILM X-E4です。

発売から4年がたった今でも、多くのカメラ好きから愛され続けるこの一台。ぼく自身も4年間使い続ける中で、その唯一無二の魅力を実感してきました。

この記事では、X-E4を「4年間愛用してきた当事者」として、その使い心地やデザイン哲学を正直にお伝えします。スペックや機能の羅列だけでは見えてこない、このカメラが持つ本当の価値をひも解いていきます。

読み終えたら、きっと今日からカメラを持ち出すのが楽しみになるはずです。一緒にその魅力を探っていきましょう。

目次

「ただの軽量カメラ」で終わらない──X-E4の潔いデザイン哲学

FUJIFILMがX-E4を開発するにあたって、なぜグリップをなくし、「フルフラット」という形にこだわったのでしょうか?

それは単なる見た目のためではありません。このデザインには、ぼくたちを自由にし、写真の本質に向き合わせるための哲学が隠されています。

握り方すらも選べる「自由」が、撮る楽しさに変わる

一般的なカメラは、右手でグリップを握る持ち方が前提です。しかしX-E4は違います。

右手で軽く支える。左手で包み込むように持つ。ストラップで首から下げたまま片手でシャッターを切る。

持ち方を強制されない自由さが、新しい撮影スタイルへと導いてくれるのです。開発者の方も「ユーザーの自由な発想に驚いた」と語っています。

「X-S10が『こう持ってくださいね』と語りかけてくるのに対し、X-E4は『あなたが自由に持ってください』とユーザーを解放する」

この言葉が、X-E4の哲学を物語っています。

開発者の情熱が結晶した「0.8mmへの技術的な挑戦」

このフルフラットなボディに、自撮りも可能な180度チルト液晶を埋め込むことは、技術的に至難の業だったそう。

実は、モニターを支える金属フレームをわずか0.8mmの厚みで交互にかみ合わせるという、職人技のような工夫があったのです。この緻密な設計によって、美しいデザインと高い機能性の両立が実現されました。

純正アクセサリーは「哲学を守るための答え」

ミニマルなデザインを追求する中で、「持ちにくいのではないか」という声にも開発チームは真摯に向き合いました。

その答えが、デザインを妥協せず、外付けのサムレストとグリップという別売りアクセサリーを用意すること。機能部品一つにも、美学を追求する姿勢がX-E4の世界観を構築しているのです。

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ユーザーがグリップやサムレストを装着してFUJIFILM X-E4を持つ様子

文庫本サイズに凝縮された「高画質」と「撮る楽しさ」

X-E4はすでにディスコン(生産終了)となっていますが、なぜ今でも中古市場で根強い人気を誇るのでしょうか?

それは、「手軽さと高画質」という、カメラに求められる最高のバランスが実現されているからです。

500mlペットボトルより軽い364gのボディ

X-E4の本体重量は約364g。サイズは文庫本とほぼ同じです。

このコンパクトなボディに、当時の上位機種X-T4と同じセンサー(X-Trans CMOS 4)を搭載。軽さや携帯性を犠牲にすることなく、驚くほど高精細で美しい写真が撮れます。

実際にぼくは、娘の成長記録から旅先のスナップまで、すべてX-E4で撮影してきました。軽さゆえに「持ち出す」ハードルが下がり、結果として撮影機会そのものが増えたのです。

通勤バッグに忍ばせても負担にならない。散歩のついでに持ち出せる。カメラを意識せずに持ち歩ける──この感覚が、写真との付き合い方を変えてくれました。

迷わず撮れる「直感的操作」

必要最小限のダイヤルやボタン配置で、撮影に集中できます。

シャッタースピードや露出補正をダイヤルで直感的に調整できるため、重いカメラで設定に手間取っていた「あの葛藤」から解放され、シャッターチャンスを逃しません。

電源を入れて、構えて、シャッターを切る。このシンプルな動作が、写真を撮る喜びを純粋に感じさせてくれます。

「撮って出し」が楽しいフィルムシミュレーション

富士フイルムならではのフィルムシミュレーションは、写真を撮る楽しさを何倍にもしてくれます。

クラシックネガ、ASTIA、ETERNA──18種類のシミュレーションを切り替えるだけで、まるで現像したかのような美しい色味を楽しめます。

ぼくは同じ場所でも何種類かのシミュレーションで撮ってみて、あとから見比べるのが楽しみでした。複雑な現像作業なしで、JPEGのままでも作品のような色味が手に入る。この魔法が、撮影意欲をかき立ててくれます。


4年使って分かった「日常に溶け込む」価値

発売当初は「グリップがない」「防塵防滴じゃない」「バッテリーが持たない」といった声もありました。

しかし、4年間使い続けて分かったのは、それらの「欠点」が気にならないほど、X-E4が日常に溶け込んでくれるということです。

シャッター音と感触が「撮る喜び」を教えてくれる

X-E4のシャッター音は控えめながらも、手応えのある感触がしっかりと残ります。静かな場所でも気を遣わずに撮影できて、撮った瞬間の満足感があります。

この「撮ることそのものが気持ちいい」という感覚は、日々の撮影習慣にも良い影響を与えてくれました。

相棒になる「おすすめレンズ」

X-E4のコンセプトを最大限に引き出すのが、「パンケーキレンズ」とよばれる薄型のレンズと思います。

ここではおすすめしたいパンケーキレンズをご紹介します。

1. FUJIFILM XF27mmF2.8 R WR

  • 特徴: 薄型パンケーキレンズ、防塵防滴仕様、純正ならではの発色と信頼性。
  • メリット: コンパクトで持ち歩きやすく、日常スナップに最適。
  • 注意点: F2.8とやや暗めなので、背景ボケや夜撮影は少し弱い。

2. TTArtisan AF 27mm f/2.8

  • 特徴: 中華メーカー製のパンケーキレンズ。AF対応で価格が非常に安い。
  • メリット: コスパ抜群で、軽快なスナップシューターに良い。
  • 注意点: AF精度や作り込みは純正に劣る場合あり。

3. FUJIFILM XF18mmF2 R

  • 特徴: 超コンパクトな広角レンズ。APS-C換算で約27mm相当。
  • メリット: 風景や街並みスナップに強い。小さくて常用に最適。
  • 注意点: 設計が古めでAFがやや遅い。周辺画質も甘め。

4. TTArtisan 25mm F2

  • 特徴: 完全マニュアルレンズ。換算約37.5mmの準標準。
  • メリット: 小型軽量で描写も良好。価格が1万円以下と安価。
  • 注意点: MF専用なので初心者にはやや慣れが必要。

5. TTArtisan AF 35mm f/1.8 II

  • 特徴: 明るい開放F1.8、AF対応。標準寄りでポートレートもこなせる。
  • メリット: ボケを楽しめる。価格も2万円台と安価。
  • 注意点: AF速度や信頼性は純正より落ちる可能性あり。

6. 7Artisans 18mm F6.3 II

  • 特徴: 超小型パンケーキレンズ。MF固定、絞りF6.3の簡易仕様。
  • メリット: 価格も安く、とにかく薄い。常時付けっぱなしでも邪魔にならない。
  • 注意点: 開放F6.3と暗いので暗所に不向き。画質も割り切りが必要。

まとめ

  • 純正で安心: XF27mmF2.8 R WR、XF18mmF2 R
  • コスパで遊ぶ: TTArtisan AF 27mm、TTArtisan 25mm F2
  • ボケを楽しむ: TTArtisan AF 35mm f/1.8 II
  • 超軽量サブ: 7Artisans 18mm F6.3 II

唯一惜しい点は防塵防滴がないこと

使用していて唯一惜しいと感じたのは、防塵防滴に対応していない点です。雨の日の外出や、埃っぽい場所での撮影では、少し気を遣わなければいけません。

とはいえ、それを補って余りある軽快さとデザイン性があるため、大きな不満にはなりませんでした。

X-E4は「記録」ではなく「記憶」を残す道具だった

4年間使い続けて分かったのは、X-E4が単なる「記録装置」ではないということです。

娘の笑顔。旅先の空気感。日常の何気ない瞬間──。

このカメラと一緒に過ごした時間は、ぼくの人生を確かに豊かにしてくれました。それは、X-E4が「カメラと人の関係性」そのものを問いかけてくるからかもしれません。

他にない構成がX-E4の価値を高めている

EVF(電子ビューファインダー)を搭載しながら、グリップレスでフルフラットなデザイン、しかもレンズ交換式でチルト液晶付き。

この組み合わせをすべて備えたカメラは、2025年現在でもX-E4以外に見つかりません。

他メーカーからもクラシックな見た目のカメラは登場していますが、サイズが大きかったり、ファインダーが非搭載だったりと、どこかに妥協点があります。

X-E4は、デザインと機能性のバランスが非常に絶妙で、「こんなカメラが欲しかった」と思わせてくれる一台です。

富士フイルムX-E4は「愛着」を育む相棒

X-E4は、単なるスペックや機能ではなく、所有する喜びを与え、ぼくたちの日常を豊かにする力を持っています。

決して完璧ではないかもしれません。手ぶれ補正は非搭載。バリアングル液晶もなし。バッテリーの持ちも決して良いとは言えません。

でも、その不完全さすらも愛おしくなる。それがX-E4という存在です。


まとめ:今でも手に入れる価値のあるカメラ

FUJIFILM X-E4は、発売から4年経った今でも、唯一無二の魅力を持ったカメラだと感じています。

  • コンパクトで軽く、日常的に持ち出しやすい
  • 撮る楽しさを自然と引き出してくれる操作性
  • 高画質と美しい色再現
  • 長く愛用したくなるデザイン性

新品では手に入りにくくなりましたが、中古市場で見つけたら、ぜひ検討してみてほしいカメラです。日々の記録を大切にしたい方、カメラとの距離をもっと縮めたい方に、X-E4はきっと応えてくれると思います。あなたが今、手にしているカメラを「新たな相棒」として見つめ直してみませんか?

X-E4の魅力に改めて気づいた方は、中古市場で探してみることをおすすめします。生産終了となった今も、その価値を理解する人々の間で大切に受け継がれています。

そして、もしあなたがすでにX-E4を持っているなら、明日の朝、バッグに忍ばせて出かけてみてください。いつもの通勤路や散歩道が、きっと違って見えるはずです。

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