SONY α7II 再購入レビュー|SONY α7IIの魅力を徹底解説:なぜ今も愛され続けるのか?

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ぼくが35mmフルサイズセンサー搭載のミラーレス一眼カメラを初めて手にしたのは、2016年のことでした。その相棒こそ、今回じっくりとご紹介するSONY α7IIです。一度は手放したものの、その魅力が忘れられず、数年後の2022年に「やっぱりこのカメラしかない」と、あえて買い戻したほどです。

数多くの最新フルサイズミラーレスが登場するなか、なぜ今さらα7IIを再び選んだのか。その答えは、単なる懐古趣味ではありません。この記事では、ぼく自身がα7IIを愛用する現役ユーザーとして、そのリアルな使用体験をもとに、隠れた魅力と正直なメリット・デメリットを徹底解説します。

特に、「今、α7IIを買うべきか迷っている」「レビューを探している」というあなたの疑問にきっとお答えできるはずです。軽さやシャッター音、そして何よりも心を揺さぶる描写力。最新機種にはない、α7IIならではの「撮る楽しさ」がここにはありました。

※35mmフルサイズセンサーとは135フィルム(35mmフィルム)というフィルムカメラで一般的に使われるフィルムのサイズに似ていることからつけられた、カメラのセンサーサイズの通称。
※ミラーレス一眼カメラとはそれまで一般的であったボディー内に光を反射させるミラーが内蔵した『一眼レフカメラ』からそのミラーをなくしたカメラ。

目次

SONY α7IIとは?基本スペックと特徴

SONY α7IIは、2014年11月に発表され、同年12月に日本国内で発売されたミラーレス一眼カメラです。特筆すべきは、世界で初めて35mmフルサイズセンサーに対応した光学式5軸手ブレ補正機能を内蔵したことです。

当時のカメラ市場において、フルサイズミラーレス一眼はまだ黎明期でした。SONYは国産カメラメーカーとしていち早く35mmフルサイズセンサーを搭載したミラーレス一眼(初代α7、そしてこのα7II)を市場に投入し、その先進性で注目を集めました。ミラーレスならではのスタイリッシュな見た目と、一眼レフにはない機動性に一目惚れしたのを覚えています。

一度はα7IIを手放しましたが、心のどこかで「いつかまた手元に戻したい」という思いが消えませんでした。「どうしてもまたほしくなれば買い戻せばいい。」半分冗談でそう思っていた当時のぼく。まさか本当に買い戻すことになろうとは…。

α7IIのコスパ:2025年でも現役か?【結論:用途次第で十分】

さて、発売から約10年近くが経つ2025年現在、α7IIは「今から買う価値があるのか?」という疑問が当然湧いてくるでしょう。私の結論から言うと、α7IIは多くの撮影用途において「十分すぎる」性能を持っています。

ただし、最新機種と全く同じというわけではありません。以下の表で、主要な撮影用途におけるα7IIの「実用性評価」を整理してみました。

撮影用途十分度理由
家族写真・日常記録★★★★★有効画素数約2430万画素は日常使いに十分。5軸手ブレ補正でブレにくく、思い出を美しく残せる。
ポートレート★★★★☆2016年のファームウェアアップデート(Ver. 3.0)で追加された瞳AFが利用可能です。 ただし、最新機に比べ精度は劣るものの、フルサイズならではの美しいボケ描写は現役レベル。
風景写真★★★★☆高画素機には一歩譲るものの、A3プリントまでなら細部まで問題なく表現。手ブレ補正が効くため三脚なしでも安定。
オールドレンズ撮影★★★★★マニュアルフォーカスとの相性抜群。5軸手ブレ補正でオールドレンズの魅力を最大限に引き出せる。
動体撮影(スポーツ・子供)★★☆☆☆AF追従性能に限界があり、最新機種のような瞬間的なAFロックは難しい。
動画撮影(本格的)★★☆☆☆4K非対応、動画時の手ブレ補正効果も限定的。本格的な動画制作には不向き。
プロの商用利用★★★☆☆案件によっては可能だが、AF速度や最新の機能が必要な場合は最新機種が推奨される。

最新機種との主要な差、それでも「十分」な理由

最新のミラーレス機と比べると、α7IIにはいくつかの差があります。

  • AF性能: 最新機種のリアルタイム瞳AFや、広範囲・高密度なAFポイントと比較すると、動体追従性能や低照度でのAF速度は劣ります。
  • 動画機能: フルHD(1080p/60fps)まで対応し、XAVC Sコーデック(最大50Mbps)で高画質な録画が可能ですが、4K撮影には非対応で、動画時の手ブレ補正効果も静止画ほど強力ではありません。
  • 連写性能: 最大5コマ/秒の連写は、現在の標準以下と言えるでしょう。
  • ISO感度: 高感度時のノイズ処理能力は、最新の画像処理エンジンを搭載したモデルに一歩譲ります。

それでもα7IIが「十分」な理由。それは、フルサイズセンサーが持つ基本性能の高さにあります。

  • 豊かなボケ味と高画質: 大判センサーだからこそ得られる、被写体が際立つ美しいボケ味は健在です。有効画素数約2430万画素という画素数は、一般的なプリントやSNS投稿には十分すぎる解像度があります。
  • 強力な5軸手ブレ補正: 発売当時、世界初だった5軸手ブレ補正は、今でもその効果を実感できます。手持ちでの夜景撮影や、暗所でのシャッタースピード稼ぎに絶大な威力を発揮し、撮影の幅を広げてくれます。
  • 豊富なレンズ資産: SONYのEマウントは、純正レンズだけでなく、TamronやSIGMAなどサードパーティ製の高品質なレンズも豊富です。これらのレンズはα7IIで活用できるのはもちろん、将来的に最新機種にステップアップしても共用可能です。
  • 価格対性能の圧倒的なコスパ: これほどの基本性能を持つフルサイズミラーレスが、中古で7〜9万円台(状態により変動)という価格で手に入るのは、まさに驚異的です。フルサイズデビューのハードルを大きく下げてくれる、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

中古価格と購入先

α7IIは現在、新品での流通は非常に限られており、中古市場が主な購入先となります。2025年時点で、状態の良い個体(シャッター数5万回以下、外観良好)は7〜9万円台で入手可能です。中古価格は6〜10万円前後が目安となっており、市場状況や付属品により変動する可能性があります。購入時にはシャッター回数や付属品の有無をしっかり確認しましょう。

中古カメラの購入は不安に感じるかもしれませんが、信頼できる専門店を選べば安心です。

  • マップカメラ: 中古カメラ専門店として非常に有名で、商品の状態ランクが細かく表示され、保証も充実しています。
  • カメラのキタムラ: 実店舗も多く、実際に手に取って状態を確認できるのが魅力です。オンラインストアでも豊富な在庫があります。

今後の価格推移としては、すでに底値圏にあると見られ、大幅な下落は期待しにくい状況ですが、カメラ市場は急な値動きもあり得るため、変動の可能性も考慮しておくと良いでしょう。もし購入を検討しているなら、状態の良い個体を見つけた時が「買い時」かもしれません。

α7IIのAF性能と実用性:はなすた目線で評価

さて、多くの方が気になるのは、発売から約10年近くが経つα7IIのオートフォーカス(AF)性能ではないでしょうか。特に、最新機種α7IIIのAFが劇的に進化したこともあり、「α7IIのAFで果たして動きのある被写体に対応できるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんね。

正直にお伝えすると、α7IIのAFは最新機種のような「何でも捉える万能性」は持ち合わせていません。特に、動きの速い被写体を連続して追いかけるようなシーン、例えばスポーツ撮影や猛スピードで走り回る子供の撮影では、後継機のα7IIIやα7IVに軍配が上がります。コンティニュアスAF(AF-C)での追従性能や、測距点の多さ、AF-S(シングルAF)での合焦スピードも、最新機種と比べれば明らかに劣るのが現実です。

しかし、これは決して「使えない」という意味ではありません。ぼくのリアルな使用感として、普段使いのスナップ撮影、ポートレート、風景撮影、そしてカフェでのテーブルフォトといった一般的な撮影シーンであれば、α7IIのAFは十分に活躍してくれます。

α7IIのAFは、最新鋭の超高速AFではありませんが、撮影者の意図を汲んでじっくりと構える撮影スタイル、あるいは日常を丁寧に切り取るスナップにおいては、まったく不自由を感じないレベルだと言えるでしょう。動きモノをメインにするプロの現場で使うには厳しいかもしれませんが、趣味の範囲であれば十分に信頼に足る性能です。最新機種の「圧倒的な速さ」に固執せず、「自分の撮りたいものが撮れるか」という視点で見れば、α7IIのAFは決して諦める必要のない、十分な実力を備えていると断言できます。

おすすめレンズ:軽量でコスパ抜群のSONY FE 50mm F1.8がおすすめです。

作例紹介

α7IIの大きな魅力の一つは、その描写力。実際に撮影した作例でその実力をご覧ください。プロの現場で使えるかは別として、筆者の創作活動には十分な画質です。RAW現像にもしっかり対応しているため、幅広い編集が可能です。

※写真は、すべて写真編集ソフト『Adobe Lightroom』を使用して編集しています。

動画性能とシャッター音の課題

α7IIの動画性能は、フルHD(1080p/60fps)まで対応し、XAVC Sコーデック(最大50Mbps)で高画質な録画が可能です。しかし、4K撮影はできず、Vlogや簡単な動画撮影には使えるものの、最新の動画クリエイターにとっては物足りないでしょう。実際に、友人の結婚式でα7IIを使って動画を撮ったところ、動きの少ないシーンでは綺麗に撮影できましたが、AFの追従性が弱く、手動フォーカスが必要でした。動画時の手ブレ補正効果は静止画よりも控えめですが、日常の記録やVlog用途には十分活用できます。

また、サーチコンソールで「α7ii サイレントシャッター」という検索クエリが上位に挙がっていますが、残念ながらα7IIには完全な電子シャッター(サイレントシャッター)機能は搭載されていません。α7IIには電子先幕シャッターが搭載されており、メカシャッターのみの場合と比べてシャッター音は軽減されますが、完全に無音になる機能ではありません。シャッター音は「カシャッ」とやや大きめです。静かな環境(結婚式、美術館、野生動物撮影など)では音が目立つ可能性があるため、事前に確認することをおすすめします。

オールドレンズとの相性:α7IIの隠れた魅力

α7IIの数ある魅力の中でも、私が特に声を大にして伝えたいのが、オールドレンズとの相性の良さです。フルサイズセンサーとマニュアルフォーカスのしやすさが、オールドレンズ愛好家にとってまさに理想的な組み合わせなんです。

ぼくは、CANONのレンズをマウントアダプターで使い、みなとみらいを撮影しました。その時、ファインダー越しに見た世界、そして現像した写真に写し出された柔らかいエッジやボケと独特の空気感に、ちょっとした感動を覚えました。

α7IIの5軸手ブレ補正は、オールドレンズを使う際に絶大な威力を発揮します。手ブレを気にせず、じっくりと構図を練り、ピントを合わせる。この一連の作業が、フィルムカメラを使っているような「撮る楽しさ」を呼び覚ましてくれるのです。

α7IIのEVF(電子ビューファインダー)は、ピーキング機能を使えば、マニュアルフォーカスでも非常にピント合わせがしやすいのもポイントです。α7IIは、Canon FD、Nikon F、M42など多様なマウントのオールドレンズに対応するマウントアダプターが豊富です。ピーキング機能を活用するには、カメラ設定で「ピーキングレベル」を「中」または「高」に、「ピーキングカラー」を赤や黄色に設定すると、ピントの山が視認しやすくなります。これにより、オールドレンズ特有の「ピントの山」を確実にとらえ、あなたのイメージ通りの描写を引き出すことができます。

おすすめアダプター: オールドレンズ初心者には、手頃ながら信頼性の高いK&F Concept マウントアダプターがおすすめです。

まとめ:SONY α7IIは、あなたの「撮りたい」をかなえる1台

SONY α7IIは、発売から時がたった今でも、フルサイズで写真を楽しみたい方にとって、十分すぎるほどの性能と価値を持っています。特に、手頃な価格でフルサイズデビューしたい方、オールドレンズの個性的な描写を楽しみたい方、そして「撮る楽しさ」を追求したい方には、強くおすすめできる一台です。シャッター音に少し課題はあるものの、それを補って余りある描写力汎用性があります。

色表現などに関しては編集技術が高くなれば、どんなカメラでも自分の望む表現ができてくるとは思います。ただシャッター音やグリップ感といった撮影時の楽しさはカメラによって大きくことなります。

α7IIで撮影していると難しいことは考えず、ただ撮ることが楽しくて夢中になってたあの頃の感覚や創作意欲が呼び起こされるような気がしました。僕にとって『作品としての写真』を撮るためには、α7IIが必要ということなのかなと。

ぜひα7IIを手にして、あなただけの「思い出の引き出し」を増やしていきましょう。

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この記事で使用した機材

▶ 当ブログでは、FUJIFILMやオールドレンズの作例記事も充実しています。
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