RX1シリーズへの、ずっと続いていた憧れ

SONY α7IIを買った頃、ちょうど初代RX1にも出会いました。
単焦点固定で、グリップもない。けれど価格はびっくりするほど高い。
当時は「なんで?」と正直ピンと来なかった。でもそれ以上に、なぜか強く徒惑されたのを覚えています。
その後もずっと気になっていたシリーズ。
ついに今回、後継がなんの前触れもなく突然発表されRX1R IIIを銀座のソニーストアで先行体験ができると知って、迷わず予約。
体験の20分間は、憧れが「確信」に変わる静かな時間でした。

見た目よりも「軽い」。そしてまとまりが心地よい

最初に手に取って驚いたのは、その軽さ。
見た目の密度感からは想像できないほど、すっと手に馴染む重量バランス。
コンパクトな中に、動画ボタンやチルト液晶など必要最低限の操作系がきちんと収まっていて、
「持ってすぐ撮れる」ことへの配慮が感じられました。
手ぶれ補正やバリアングルなど、今やαシリーズで当たり前になっている機能がないのは事実。
でもその“引き算”の潔さが、このシリーズの芯の強さを際立たせているようにも思えます。








クリエイティブルックが使える、唯一のRXシリーズ

そして今回、RX1シリーズとして初めて「クリエイティブルック」が搭載されました。
2020年にα7S IIIから始まったこの機能は、今やSONYの画作りの中心的存在。
中でも「FL」は、柔らかく落ち着いた雰囲気を出せる色調として人気。
RX1R IIIでは、このFLがさらに2種類(FL2・FL3)追加され、JPEG撮って出しでも階調や雰囲気の違いを楽しめます。
このサイズ感で、ソフトウェア面はしっかり“今”のSONY基準。
「小さいのに妥協なし」が、ここでもしっかり実現されていました。
レンズ交換式では得られない、“調整済み”の完成度

搭載レンズZEISS Sonnar 35mm F2は初代RX1からのレンズがそのまま載っています。
もちろん10年近く前の設計なので、現代の高性能単焦点と比べればスペック的な差はあるかもしれません。
ですが、このレンズは当時から評判がよく、そのレンズをレンズ固定式の一体型ボディであることを活かし、緻密にチューニングしてこのレンズの能力を最大限引き出しているということ。
それが、RX1シリーズならではの最大の価値だと思います。
「いいレンズをつければ同じ」「昔のレンズはよくない」じゃない。
このカメラは、“最初から完成している”安心感があるんです。
作成紹介|実写作例から見える、RX1R IIIの描写力
写真をPCで開いたとき、思わず「おお……」と声が出ました。
ぼくは描写力に関してにそこまで敏感ではありませんが、それでも立体感がすごかったんです。






それぞれのブランドが描く「小型×高画質」の回答
フルサイズセンサーをLEICAのカメラをもっともコストパフォーマンスよく体験できる入り口として語られるQシリーズ。
FUJIFILMは、あえてフルサイズを避けたAPS-CのX100シリーズと中判のGFXシリーズという独自の2極展開。
そして「和製LEICA」とも呼ばれるRICOH GRシリーズは、描写力・携帯性・速写性を突き詰めた孤高の道を行きます。
そんな中で、SONYのRX1シリーズが選んだのは——
妥協のない画質と機能性を、ぎりぎりまで削ぎ落としたサイズに詰め込むという回答。
そのひとつプロダクトに両極端の2つの特徴へ振り切った感じにぼくは惚れ込んだのだと気がつきました。
RX1シリーズは、ぼくにとっての“SONYの象徴”

フルサイズセンサー、憧れのレンズZEISSSonnar 35mm F2の搭載、
そして、クリエイティブルックやAIAFなど最新の機能の数々。
「ここまでやるか?」というレベルで小さく、けれど中身はフルサイズとして本気。
ぼくにとってRX1シリーズは、単なる高級カメラではありません。
「SONYというメーカーの、もっとも好きな一面」が凝縮されたプロダクトだと感じています。
派手な進化を繰り返すわけではないし、万人向けでもない。
でも、この形でしか得られない撮影体験が、確かにここにはあるんです。
RX1R IIIを触ったあと、しばらく頭から離れなくなりました。
「いつか買えたらなあ」と思っていたカメラが、
体験を経て、「どうやって買うか」の思考に変わった感覚。
ほんとに欲しくてしょうがない。
どうやって購入費を工面するか、この悩みは購入できるまで半永久的に続くかもしれません。
その後もずっと気になっていたシリーズ。
ついに今回、後継がなんの前触れもなく突然発表されRX1R IIIを銀座のソニーストアで先行体験ができると知って、迷わず予約。
体験の20分間は、憧れが「確信」に変わる静かな時間でした。